今年度から配備される自衛隊の新拳銃「SFP9」、米軍の新拳銃「M17」と「M18」、世界的に人気のGlock(グロック)。これらの拳銃の共通点がお分かりだろうか?この3つの銃は全てストライカー式を採用したハンドガンなのです。今、世界のピストル・拳銃はストライカー式が主流。ストライカー式について説明します。
これまで主流だったハンマー式とは
一般的なリボルバーや自動拳銃の後ろにはハンマー(撃鉄)が付いています。コックされたハンマーが引き金を引くと解放され、バネの圧力で弾丸の後ろ部分にあるプライマー(雷管)を叩きます。リボルバーであればこのハンマーが直接プライマーを叩くというシンプルな構造です。
ただ、自動拳銃になると動作が増えます。ハンマーは直接プライマーを叩かずに、まず、内部にあるファイアリング・ピン(撃針)を叩きます。ピンはハンマーの運動エネルギー得ると、その力でプライマーを叩き発火、弾丸が発射されます。このような仕組みで動く銃をハンマー式といいます。
ストライカー式はこのハンマーがない、ハンマーレスの拳銃です。
ハンマーがないストライカー式
ストライカー式はハンマーを無くすことで射撃時の一連の動作を簡素化しました。ファイアリング・ピンが内蔵されていることはハンマー式の自動拳銃と変わりませんが、違いはファイアリング・ピンの動作が引き金が一体化されたことです。引き金を引くことでスライド内部のピンが下がり、最後まで引き金を引くとピンが解放されてプライマーを叩きます。
メリットはなに?
では、これによって、どんなメリットがあるのか?
まず、余計な動作がなくなるという事は部品点数が少なり、設計も簡素化されます。部品が少なければ、動作不良、故障も少なく、メンテナンスもしやすくなります。また、小型化もしやすく、小型化しても装弾数が極端に少なることもありません。
後部の突起したハンマーが無くなるので、外見はスマートで、引っかけることもありません。
ストライカー式の難点を上げるとすれば、コックされているかどうかが、外観からは分からないことです。特にマガジンを挿入した際は一発目がチャンバーに装填されているかどうかは、スライドを半分引いて、装填されているか確認する必要があります。ハンマー式であれば、後部のハンマーの下がっているかどうかで見分けがつきます。
グロックにはありませんが、SFP9にはコッキングの有無を目で確認することができるコッキングインジケーターが付いています。