サバゲーでの外国人対応を考える

サバゲーでの外国人対応を考える

千葉県のサバゲーフィールド「大将軍」でルールやマナーを守もらない客の一団がおり、何度注意しても改善しないので出禁にしたところ、客が殴りかかるなど暴力沙汰になる騒動が起き、サバゲー界隈を騒然とさせた。さらに彼らが外国人だったこともあり、「外国人差別」といったワードも飛び交い、思いのほか、この話題は広がっている。報道やSNSの情報を見る限りは、フィールドには差別の意図はなく、外国人だからという理由ではない。サバゲーをする上では至極当たり前のルール、”ゾンビ行為””セーフティでの発砲”といった禁止行為を繰り返したからのようだ。しかし、SDGs、ダイバシティが叫ばれる昨今、一つ対応間違えれば、外国人への対応は炎上しかねない事案だった。

サバゲーでの外国人問題は昔からある。今回の件は東南アジア系のグループのようだが、某中国系グループのマナーが悪い、ゾンビ行為が酷いという話は昔からあった。これも千葉県でのフィールドだ。そういう経緯もあってか、フィールドによっては”外国人お断り”、”日本語理解できない人お断り”と明確に掲げるとこともあった。だからと言って外国人を色眼鏡では見てはいけないし、外国人という理由で制限をかけるというのも良くない。むしろ、サバゲーの裾野を広げ、業界を発展させていくには外国人客は積極的に受け入れるべきなのだ。

サバゲーは日本発

世界では”AirSoft”という名で親しまれているサバゲーだが、生まれたの日本になる。それもあり、日本は世界でもサバゲーが最も盛んな地域だ。フィールドも各地にあり、参加の障壁は低く、初心者も参加しやすい。
欧米でのサバゲー人気は近年高まっているが、実はアジアではまだそこまでではない、盛んなのはエアガン工場の集積地の台湾ぐらいで、中国やマレーシア、オーストラリアではエアガンの所持自体が禁止されている。そういった背景もあり、日本で初めてサバゲーに参加する外国人も多い。彼らにとってサバゲーは日本でしか楽しめないレジャーなのだ。また、訪日外国人の増加、外国人定住者も増加しており、サバゲーでも外国人は増えており、外国人を見ることは珍しくない。

外国人は日本のルールを理解しきれているのか

サバゲーに参加した人ならご存じかと思うがゲーム前には参加者は参加必須のミューティングが開かれ、レギュレーションについて、長い時間をかけて事細かに説明を受ける。それは10年以上の経験を持つベテランでも毎回参加しなければならず、そうやってルールやマナーを刷り込まれてい行くわけだが、このミューティングにはもちろん英語や外国語でのアナウンスはないし、ルールを訳したドキュメントなどもほぼ全てのフィールドで用意されていない。都心にフィールドを構え外国人客も多いASOBIBAでは英語のWebページを用意しているが、これも基本はないと思ってよい。つまり、日本語が分からない外国人はミューティングの内容がほぼ分からない形でゲームに入ってしまうのだ。日本語に堪能な外国人でも普段使わないサバゲー、銃器に関する日本語を知らない人は多いだろう。

ヒットは自己申告といった世界的な共通ルールはもちろん分かっているかもしれないが、マナー的な部分は国やフィールドによって違うだろすい、完全に理解していない可能性は高い。海外のサバゲーに参加したことは無いが、日本は最も厳しいルールを設けていると思われる。そもそも銃社会ではない日本においてエアガンの扱いは厳しく、威力の規定は世界で最も厳しい。日本でのパワー規制0.98Jまでだが、大抵の国は1を優に超えている。このことから日本では世界で最も厳しいルールを布いていると言ってもよい。

サバゲーも多言語対応すべき

これらのルールをきちんと外国人に伝えるには外国語に対応したルールブックやドキュメントを用意して一読してもらい、サインなどをしてもらう必要がある。翻訳したドキュメントを用意して読んでもらうだけでルールの理解度は一気に深まる。なんとなくで理解しているのとは違う。そして更に読んでサインさせるのが大事だ。契約・サイン文化の海外では、サインは大きな意味合いを持ち、順守しようとする意識が強くなる。後で問題があってもそれを盾に対応できる。文化や風習を理解してもらうのは大変だが、ルールは明文化されているものだし、スポーツを行う上で必須なのだから、分からない、守れないは通用しない、守れなければ退場させされるのがスポーツであり競技だ。

しかし、各フィールドで多言語化したルールブックを用意するのは大変だ。以外と翻訳コストは高い。本来であればこういうのは業界団体が作って各事業者に配布すべきなのだが、サバゲー業界はこれをまとめる団体がない。ここ数年、訪日外国人が増える中、これを取り込むビジネスチャンスはあり、特に最近は体験型レジャーが人気だったのだが、サバゲー業界はそこを取り込めていない。

外国人客が増えるのよく思わない人も一定数いるが、今後のサバゲーを業界の発展のために外国人客は無視できないし、取り込んでいかなくてはならない。客が増えればフィールドが潤い、競争が生まれ、サービスが向上し、自ずとユーザーに還元させる。しかし、外国人が増えても今回のような問題が多発すれば日本人のユーザーが離れることになる。ルールを理解、徹底させる仕組みは作らなければならない。

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