装着前にマガジンをヘルメットに叩くのはなぜ?

Photo by Sgt. 1st Class Gary Witte

プライベート・ライアン』など戦争映画で兵士がマガジンをライフルに装着する前にヘルメットに叩く動作を見たことは無いだろうか?だいたい二回ぐらい、ヘルメットに軽く「コン、コン」と叩いてからマガジンに装着している。この動作に憧れて、サバゲーで真似した人もいるのではないだろうか?ただ、この動作について、きちんと目的を知っているだろうか?マガジンをヘルメットに叩く意味について説明する。

プライベート・ライアン (字幕版)

埃や砂を出す

戦場は埃や砂で溢れている。そのような場所では否応なしにマガジンに埃や砂が入ってくる。その状態でライフルに差し込めば弾丸と一緒に埃や砂がチャンバー(薬室)内に入る。内部に塵が溜まれば、動作不良や故障の原因になる。叩くことで内部の埃や砂を少しでも出すことを目的としている。

マガジンの詰まりを解消する

マガジンの中にはバネとその上には送り板と呼ばれる板が載っている。その板をを押し下げる形で弾丸挿入していく。するとバネの張力によって、弾丸は常に上に押し上げられる。しかし、マガジンの開口部には留め金があって張力によって弾丸が上に飛び出すことを抑えている。これによって、何発か射撃しても、常に弾丸はマガジン最上部に供給され、滞りなく銃のチャンバーに供給される。しかし、稀に内部で弾丸が突っ掛っかかったり、弾丸がきちんと並列していないことがある。また、長い時間バネが圧縮するとことでバネが不活性化することがおる。そうなると、弾丸、きちんと供給されずにジャム(詰まる)ってしまい、いざという時に射撃ができないといったことが生じる。ヘルメットに叩くことでマガジン内の弾丸を整列させ、バネを再活性化させると目的があった。

だた、これは第二次大戦からベトナム戦争(1960)、湾岸戦争(1991)ぐらいの時の話で、この時はマガジン、ライフル自体の性能、耐久性も低く、ジャングル、砂漠といった新しい環境に対応できていなかった。今では、マガジンの品質も向上し、内部で詰まることは稀で、マガジンをヘルメットに叩く習慣は無くなっている。

その動作に憧れて、サバゲーで意味なくマガジンを叩くことがあるが、必ずヘルメットを被っている時にしよう。帽子でやったら単純に痛いだけだった。

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