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世界の迷彩パターンの第16弾は湾岸戦争で使われ、今ではミリタリーファッションとして人気のナイトカモフラージュについて紹介します。
ナイトカモフラージュとは
日本ではナイトカモフラージュという名前で通っていますが、正式にはデザートナイトカモフラージュ(Desert Night Camouflage:DNC)といいます。1976年に米軍で設計された迷彩になり、暗視装置(NVD)から、兵士の身を隠すために作られた迷彩になります。
暗視装置の歴史は意外と古く、実は第二次世界大戦時には登場しており、当時のドイツ軍のパンサー戦車など一部の戦車に搭載されていました。兵士が使用するようになったのはベトナム戦争の米軍が最初になり、主に狙撃手のスコープに使われます。その後、各国の軍も暗視装置を使用するようになり、対NVDとしてDNCが開発されます。
DNCの特徴

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色は薄いグリーンと濃いグリーンの2色と他の迷彩と比べると非常にシンプルです。ピクセル化されたデザインは薄いグリーンの生地の上に濃いグリーンの細かい格子状のストライプと斑点があります。DNCは最初のデジタルカモフラージュいわれています。
DNCは基本的に夜間用であるため、BDU(戦闘服)の上に着る取り外し可能なオーバージャケットとオーバーパンツになります。
湾岸戦争で使用されるが…
ナイトカモフラージュが本格的に戦場で使用されたのは1990年の湾岸戦争になります。敵の車両に搭載された暗視装置を妨害することを目的として兵士に支給されます。しかし、湾岸戦争中のクウェートで米海兵隊が行った非公式の実験ではDNCパターンは夜間でも他のパターンと比べて見づらくならないことが判明します。むしろ、AN / PVS-5暗視装置で見た時には砂漠の背景に対してDNCが逆に目立つことを発見してしまいます。最新の暗視装置では全く役に立たない、逆に目立つことが分かり、湾岸戦争後は使用されず、その後の夜間用カモフラージュの開発自体も中止されます。結局今の迷彩には赤外線暗視装置に探知されにくいち近赤外線偽装が施されることが一般的になり、昼夜によって迷彩服を分ける必要も無くなっています。
迷彩柄としてはあまり活躍することは無かったですが、今ではミリタリーファッションの一つとして人気になり、放出品やオリジナルデザインの物も出てきています。
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