アサルトライフルのマガジンはなぜ30発なのか?

アサルトライフルのマガジンはなぜ30発なのか?

M4、HK416、AK74、89式小銃などアサルトライフルのマガジンはどれも決まって装弾数が30発です。米軍は1968年にM16マガジンの標準装弾数を30発に設定し、1980年には30発のSTANAGマガジンをNATOの標準口径にし、以後、30発マガジンが主流になり、以後、それは変わっていません。アサルトライフルの元祖と言われ第二次大戦中にドイツで開発されたStg44も30発であり、それを参考に1940年代に開発されたロシア(ソ連)にAK-47も30発、AKシリーズのマガジンはずっと30発のままです。なぜ、アサルトライフルのマガジンは30発なのでしょうか?増やさないのはなぜなのでしょうか?

マガジンが長くなるから

伏射

マガジンのリロードは隙を生み、敵に反撃するチャンスを与えます。リロードを少なくするには、装弾数を多くすればいいのですが、弾数が多くなるとその分マガジンは長くなり、大きくなります。そうなると伏射する際にマガジンが地面に当たったり、狭い場所では邪魔になり、リロードもしずらくなります。

マガジンが重くなるから

アサルトライフルで一般的に使用されているのが5.56x45mm弾です。1発あたりの重さは12g、30発だと360gになり、マガジン(スチール製)を含めると約500gになります。弾数を増やせばその分、マガジンを装填したライフルは重くなります。仮に弾数を増やしてリロード回数が減り、火力が増えたとしてもライフルが重くなる分、取り回しが悪くなり、腕の疲労が増します。実際、マークスマンライフルなど使用される7.62x51mm弾の重量は倍の25gと重くなるため、7.62mm弾のマガジンは5.56mmと比べ20発と少なくなっています。

技術的な問題

マガジンのスプリング

西側のアサルトライフルのベースとなっているM16は当初、20発装填の垂直型の箱型マガジンでした。その後、装弾数の増加を求められ、現在の湾曲した形になります。実は弾薬の薬莢はほんの若干斜めっており、弾薬を並べていくと、弾薬の列は徐々に斜めっていくため、それに合わせてマガジンも斜めに設計されたという理由があります。20発の場合は湾曲させるほどの曲がりはありませんでした。

そして、マガジンの底にはスプリングが敷いてあり、弾丸を発射する度にこのスプリングが底から弾薬を上に押し上げることで薬室に次弾が装填されていきます。実はこのスプリングの押し上げの技術的最適値が30発になります。これ以上になると正常に作動しない可能性があり、給弾不良が起きる可能性が高くなります。

技術は進歩した

東京マルイ No.208 ツインドラムマガジン

しかし、これらは1980年代までに隔離された考えや技術です。その後の40年で技術は進歩し、戦い方も変わりました。マガジンはポリマー製が主流になりつつあり、軽量化されています。技術は進歩し、60発、100発の大容量でも不具合なく動作するマガジンが開発されています。

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